so far

駆け出しキーボーディストの皆様に耳コピの仕方、曲の解説などやってます。

初めてバンドでキーボードをはじめるあなたに (1)キーボードでカバーすべき音色

さてさて、あっという間に時間が経過していました。すいません。前回お話ししましたように、初めてバンドでキーボードを始める方向けに、バンドで必要となるキーボードのノウハウをできるかぎり網羅的に書き綴りたいと思っています。

今回は本編その1ですね。キーボードでカバーすべき音色、です。これは最初のトピックの割にはなかなか難しいです。というのも、キーボードでカバーすべき音色は、基本的な編成(ボーカルギター鍵盤ベースドラム)の場合、他の4パートが出さない音全て、キーボードでカバーすべきと周囲に認識されているからです。何も考えずに練習に行くとこうなります。
ボーカル「じゃあ今日は、先週決めた通り、MISIAのEverythingを演奏しよう」
ドラム「じゃあいきまーす、1234」
「・・・・」
ギター「あれ、鍵盤でイントロのストリングスやらないの?」
ベース「間奏のストリングスやってほしいんだけど」

どんな曲やったとしてもこうなります。多分。この音を出せとかこのパートをやってほしいとか、いろいろリクエストがあります。で、実際に頑張れば大抵の音色は再現できます。シンセサイザーは優秀ですからね。でも、最近の曲のほとんどは多重録音がなされていて、キーボード1本で全てのリクエストを同時に対応することは不可能です。じゃあどうするか?答えは、曲をどのように再現するか、キーボーディストがはっきり表明することです。
そうすると、例えばさっきの会話の答えはこうなります。
「キーボード1本でこの曲の壮大さを再現するのは無理だから、いっそピアノ1本にしてアコースティックにやる方がいいと思う。バンドだし。」
要するに、バンドでキーボードをやるということは(特にキーボードが1人の場合)、曲をライブ用に編曲するのとほとんど同じ作業と考えていいです。
例えば、この曲。MISIAの「眠れぬ夜は君のせい」という曲です。上が原曲で下がライブのアレンジです。ライブの方ではイントロのハープやストリングスはすべて省略し、ピアノ(ウーリッツァー)1本で弾いていますね。ハープやストリングスを中途半端に再現するよりは、キーボードで演奏しやすい音色(ここではウーリッツァー)に専念しようという考え方だと思います。念のため言っておきますが、キーボードはだいたいどんな音でも出ますが、一番得意なのは鍵盤楽器です。ストリングスはバイオリン奏者にやらせた方が絶対いいに決まってますし、ハープはハープ奏者にやらせた方がいいです。(途中からストリングスが入っていますが、これは別の人が弾いてます)


MISIA - 眠れぬ夜は君のせい - YouTube


MISIA - 眠れぬ夜は君のせい - Hoshizora no Live Ⅱ - YouTube


もうひとつぐらい例を出しましょう。これはSkoop On Somebodyama-otoという曲ですが、この人達ボーカル・ドラム・鍵盤の3人バンドなんです。ライブでは基本的にはサポートのミュージシャンを使っていますが、たまに3人でやりたくなるらしく、3人で演奏する用に曲を編曲しています。これも参考になると思います。原曲はエレピ(フェンダーローズ)とストリングスですが、3人だとギターとベースがいないので、ピアノ1本にして、イントロは左手でベース、右手でアコギのパートを弾いてますね。


Skoop On Somebody-ama-oto - YouTube


Skoop On Somebody--ama-oto(CLUB S.O.S version ...

 

ここまででだいぶ分かったと思いますが、スタジオ版(CDなど)とライブ版はほとんど別物です。いろんなアーティストのライブ動画を見るとわかると思いますが、ライブではライブ用に大幅なアレンジ(編曲)が行われていることも多いです(むしろ全くアレンジしていないことはほぼゼロです。もし見つけたら、それは裏でCD流してるだけです)。
ということで、話を戻すと、どういうキーボードパートを弾けばライブならではのサウンドを出せるか、という切り口で自分のパートを考える必要があります。
でもそんなこと言ってもちっとも分かんないすよね。ということで、ここではライブでキーボーディストに優先的に選ばれる音色を列挙していきます。ライブの中でキーボードに最も求められるのはリズムとハーモニーです。なので、必然的に音色はある程度決まっていきます。

■最優先(鍵盤系)

これぞ!というかんじですね。王道です。 だいたいキーボードが必要そうなバンドでは、このどれかが入っています。リズムとハーモニーの観点からも超重要なパートなので、最優先でこれらの音色を検討しましょう。


 

■まあまあ優先

  • ストリングス
  • パッド系

 雰囲気出すのに結構重要です。ただ、注意すべきは、CDではよく聞こえるけどライブではあまりよく聞こえないということです。プロの音源でも、ライブ版を聞くと、ストリングスが省略されていることはあります。CDのサウンドを再現したいバンドメンバーとかがストリングスをやれと言ってくることがありますが、無茶な要求である可能性も高いです。Youtubeでコピーする曲のライブ版なんかを聞いて、やれるかやれないかを判断しましょう。
もしくは、折衷案もありです。例えばピアノとストリングスが鳴っているのであれば、ストリングスがよく聞こえるところだけはピアノとストリングスをやって、そこ以外はピアノ1本でいくとか、ピアノにパッドを重ねてストリングスの雰囲気を代用するとか、そういうことも考えましょう。

さて、長くなりましたが、今回はバンドで曲をコピーする時にキーボーディストがどんなことを考えて自分の演奏パートを決めるのかをお話ししてきました。ただし、敢えて今回は全てバッキングとしてのキーボードに限定して話しています。 

 もちろん、バンドのフロントマンとして、独創的なソロを展開させながら引っ張っていければ一番かっこいいです。でも、世の中の多くの音楽にはキーボードの伴奏がつきもので、これができることになることで、演奏のチャンスは飛躍的に増加します。プロのLIVE映像をYouTubeで探して研究しましょう。


次回はいよいよ耳コピのやり方をお話ししたいと思います。



初めてバンドでキーボードをはじめるあなたに (0)連載にあたって

さてさて、こんなシリーズを始めようと思います。これは完全に体験の再整理ですね。
初めてキーボードを始める人が、どんなことを考えて、どんな風に練習を進めていけばいいのかについて、自分の体験をもとに語っていこうというシリーズです。
前からこのシリーズはやりたいと思っていました。というのも、バンドのキーボードって何やってるかよく分かんないすよね。そもそもピアノとストリングスとオルガン以外何を担当するか分からない(ひょっとしたらピアノしか分からないかもしれない)。
しかもいきなり耳コピしろとか言われた日には大変で、そもそもクラシックのピアノしかやったことないのに、いきなりこんなバンドの曲を、しかも楽譜なしでやれと!!?という状況になるでしょう。僕もそうでした。
キーボードが大変な理由の一つは、バンドマンというカテゴリの中でマイナーな存在なため、キーボードに関する情報へのアクセスが非常に難しい、というところでしょう。ジャズについて書かれた本はめちゃくちゃいっぱいあるのに、キーボードって少ない。あったとしても、ソロフレーズについての練習本とか、そういうの。もちろんそういう本に書かれていることはかなり大事なことが多いんですが、でもまずやらなきゃいけないのは目の前の曲の楽譜を書いてしかるべき音色を使って再現することであって、ソロフレーズについては後々やりたい、ということは多いと思います。
特に歌モノのバンドの人なんかそうですよね。ボーカルがいきなり「MISIAのEverythingと東京事変群青日和をやりたいです」と言ったとしたら、必要なのはソロフレーズ集ではないはずですね。

ということで、この連載では、読者ペルソナを以下に設定して、必要な知識やノウハウを出来る限り包括的に書いていきたいと思います:

  • これまでクラシックのピアノはやってきた。
    →とりあえず指は動くけど、譜面通りのことしかできない。
  • 大学に入学してサークルでキーボードをやることになった。
    →バンドに興味があってバンドサークルを覗いたら、キーボードを勧められた。キーボードはあんましよく分からないけど、ピアノやってたなら大丈夫だと言われたから始めてみることにした。
  • サークルでは基本的にJ-Popを中心にやっている。
  • バンドでは、コピーをやるが、楽譜は基本的に用意されない。
    耳コピしなきゃいけない。

ということで、次回からモリモリ説明していこうと思います。以下のようなかんじで書いていこうと思います。

  1. キーボードでカバーすべき音色
  2. 耳コピのしかたとあると便利な機材
  3. コード理論のはじめかた
  4. タイプ別楽器の選び方と周辺機器
  5. 初回練からライブまでの進め方

 てなかんじで進めようと思います。お楽しみに!!! 

キャビンアテンダントから見る顧客視点

だいぶカタいタイトルで始まってしまいました。

さて、既に投稿しているように、こないだインドへ行ってきたわけですが、飛行機の中でインド人乗客と日本人CAとのコミュニケーションがいろいろと考えさせられました。

インドってめちゃくちゃベジタリアンが多いんです。当然ながら機内食にはベジタリアン向けのメニューが用意されていますね。で、CAは食事をサーブする前に、特別メニューを注文した人全員に「あなたはベジタリアンのメニューをオーダーしましたよね」と確認するわけです。
しかし、その確認がインド人に通じないんです。全くと言っていいほど。僕は通路側に座っていて、隣(窓際)にインド人のおばあちゃんがいたのですが、CAが何度確認しても言葉が通じないんです。最終的にCAは諦めて機内食サーブし始めました。おばあちゃんはこれがベジなのかノンベジなのか分からず戸惑っていましたが、ここでイケメンの僕が地球の歩き方のページを必死に繰り、「野菜だから大丈夫だ」と教え、おばあちゃんはようやく食べ始めることができました。

このケースには顧客視点の大切さと難しさが凝縮されているように思えました。
特別食をオーダーしたことの確認は、日本では当たり前のことのように思えます。取り違えたら大変ですからね。でもインドでそんなきめ細やかなサービスが行われてるわけないです。笑 つまり、おばあちゃんはそんな質問が飛んでくることは全く想定できなかったと思います。
加えて言語の壁がありました。インドでは英語が公用語ですが、基本的には普段の仕事で使う以上の語彙は持っていないように思えます。そんな状況なので、おばあちゃんは質問内容を類推することもできず、(CAの英語の発音が壊滅的だったことも手伝って、)意味が分からなかった、ということでしょう。

それでは、CAの対応が悪かったかと言うと、全くそんなことありませんでした。そもそも、わざわざ特別メニューの確認を取ること自体がすごいし、何度も何度も一生懸命伝えようとしていたあたり、あのCAは頑張って仕事してるよなあ・・・と思えます。

問題なのは、世界中で画一的なサービスを提供することなんじゃないかと思いました。日本人であれば、わざわざ確認に来てくれると気持ちがいいですよね(個人的には過度なサービスには疑問があるのですが、その話は今度)。でも今回の件は、ベジタリアンが多そうな全ての国の言語で「ベジタリアン用」と書いた紙を、機内食をサーブするときに食事に一枚挟んでおけば解決する話でした。それがたとえ無造作であっても、「目の前の食事に肉が入っているのかどうか」がハッキリ分かる方が、インド人のおばあちゃんにとってはいいサービスなんだと思います。

じゃあそれってどうやって解決すべきでしょうか?(日本の航空会社だったので)日本の本社にいるCA用のマニュアルを作っている担当者に「インド便では、英語が通じないベジタリアン用に、それだと分かる紙を挟むようにマニュアル追記しろ」とでも言うべきでしょうか?それではあまりに対症療法的ですよね。個人的には、この件のキモは、各国の地上で行われているサービスレベルを航空会社が理解できていない(か、する気がないか、分かっているけど無視しているか、分かっているけどしがらみが多くて改善できていない)、という点だと思います。どの国ではどのようなサービスが一般的で、そういう人たちが思う「一流のサービス」が何なのか、考える必要があると思います。それは日本人の視点で考える一流のサービスとはちょっと違うかもしれませんが。例えば、東南アジアでの一流のもてなしは冷房を強めに効かせること、なんかはいい例で、日本とはちょっと違いますよね。
各国の人たちが考える一流のサービスを知るためには、各国に行かなきゃダメです。でも現実的に日本のHQが全世界の各国のサービスレベルを理解することは不可能だと思いますし、それを全部マニュアルに盛り込んだらCA業務が崩壊しそうな気がします。と考えると、消去法的に、CAの裁量を増やしてあげるのが一番いいような気がします。彼らは世界中を飛び回っていて、(人によっては空港の周囲だけかもしれないけど)各国の人が普段どんなサービスを受けているのか分かっているでしょうしね。

こうやって考えると顧客視点てほんと難しいですねえ。値段を下げてパッケージ化したサービスを売っている以上、サービスは画一的になりがちだけど、乗客の出身国から類推される価値観に合ったサービスを提供すべき場面があるわけです。この矛盾を解決するのは、CAの臨機応変さなような気がしますね。CAも、そっちの方が仕事楽しいと思うし、もっとCA自身が考えるサービスのあり方みたいなものを現場に反映できるような仕組みがあればいいのにな、と思います。

 

 

When in the Rome, do as Romans do

日本語で言うと「郷に入りては郷に従え」。これはよく異なるコミュニティ間で人が移動したときに使われますが、個人的にはこの言葉は海外旅行が最もハマる、と思います。
この言葉、「郷に入りては郷に従え、ということで左手でケツ拭きました」とか、「歓迎会でヘルメットに日本酒注がれました」みたいに、飛び抜けたカルチャーギャップへの戸惑いと共に使われることが多いですが、ここではそういうことではなく、旅先の住人の生活やスピード感に従いましょうという意味で使っています。

例えば、先日インドに行ってきましたが、渡航前はガッチリルートプランニングしていました。デリー到着後、翌日にはバラナシに行ってガンジス川を見て、その後タージマハルに行って、デリーに戻って帰国しようと思っていました。
しかし、着いて早々デリーで客引きに声をかけられ続けたこと、死ぬほど暑かったことで、観光地を巡るプランは現実的ではないと思って早々に諦めました。笑
落ち着いて周りのインド人を見ると、みんなダラダラしてるんです。日陰で。で、実際自分も日陰でダラダラしてみると、これが結構気持ちいいわけです。インドは暑いですが湿度がすごく低いので、直射日光さえ避ければ35度でも割合涼しげに過ごせることが分かりました。しかも、多くのホテルには屋上にレストランが併設されていて、心地いい風を感じながらダラダラできるようになっていました。
また、インドに行ってきたと言うとよく言われるのが、「毎日カレーだった?」というお決まりの質問ですが、実際そうでした。笑 といっても日本のカレーというよりは、あらゆる料理にカレーっぽいスパイスが使われてる、というレベルですが。最初は飽きるかも、と思ったんですが、暑さも手伝って全然飽きないんです。これが。むしろ、インドで食べたスパイス風味の焼きそばみたいなのとか死ぬほどうまくて、正直日本のソース焼きそばとか全然勝てないと思います。同様に、チャイとラッシーはどちらも死ぬほど甘く、日本にいたらほぼ飲まないのですが、酷暑の中で飲むと不思議とおいしく感じられました。ちなみに、試しに現地のマックに入ったらおいしくなかったです。マジで。

ガンジス川とタージ・マハルに絶対こだわり、日本食や西洋料理ばっかり食べていたら、こんな満足は得られなかったと思います。酷暑の中、無理して遠くまで移動し(デリーからバラナシってめちゃくちゃ遠いんですよ)、観光客目当ての客引きに悩まされ続け、うまくない日本食を食べて帰ったら、旅行なんて絶対楽しくないと思います。だいたい、そういう無理した時に免疫力が下がってお腹こわしたりするんですよね。せっかく来たからには最大限楽しみたい。そう考える中で自分がたどり着いたのが、郷に入りては郷に従え、という諺でした。特に途上国を巡る時には大事にすべきだと思います。なんでもかんでも日本での過ごし方と同じ視点で考えたら絶対楽しくないです。

時に、日本では経済成長=豊かさ=幸せという思考回路で物事が回ってしまうことがあります。僕ももちろんそうですが。ただ、それなら途上国の人々は全員日本より不幸だと感じているかというと、ほとんどそういう風には思えません。インドの時も、イランに行った時も、みんなボロボロの車に乗ったり汚い服来たりしてますが、みんな楽しそうにしています。そういう人たちの「幸せの感じ方」みたいなものを吸収できると、旅行ってすごく楽しくなると思いますし、日本とは違った幸せをほんのちょっとだけ感じることができます。それが旅行の醍醐味だと思います。

というところで、When in Rome, do as Romans do.という言葉を是非とも旅行中に思い出して、その国の楽しみ方をローマ人から学んでみてはいかがでしょうか。

 

 

インド所感

ということで、インド旅行の振り返りをしてみましょう。

えーと、4月下旬に行ってきました。

星の付け方など、細かいことはイラン編の方に書いてあります!

総評 ★★★☆☆

星4つにするかかなり迷った。難しいすなあ。海外旅行の楽しみ方というかスタイルみたいなものが段々固まりつつあるから、手探りだった過去の往訪地よりも最近の町の方が良い印象があるんですよねえ・・・ま、今回は星3つということで。過ごしやすい時期にもっと長期間行っていれば多分星4つにしていた。ボッタクリとか詐欺とかトラブルはたくさんあるけど、総じていい人ばっかりだし、いろんな出会いがあるし、のんびりしてるし、メシはうまいし、かなりいいと思います。これはリピーターが多いのも納得。ただ、10日の旅程で来てる人とか皆無で、3ヶ月とか半年とか、世界一周旅行中とか、そんな人たちばっかりだった。バラナシとかタージマハル近辺はまた少し旅行者層が違うんだろうけど(今回どちらも行きませんでした笑)。

 

 

参考までに今まで行った街を格付けしてみました。これも超個人的な見解です。イラン旅行のあと、新婚旅行で西欧を周ったので、インドを追加した以外にも更新しています。

★★★★★ ニューヨーク カリフォルニア

★★★★☆ イタリア フランス スペイン ベトナム 台湾 韓国

★★★☆☆ タイ マレーシア イラン インド

★★☆☆☆ ドーハ

★☆☆☆☆ デトロイト

 

というところで、以下各論。

 観光スポット ★★☆☆☆

いろいろある。バラナシで沐浴したり、タージマハル見に行ったりするのが一番オーソドックス。ただ、のんびり構えて行動しないと、良さを感じることが難しいような気がするので、短時間で観光スポットを回って帰る、というのはあまり向かないと思う。あと、観光地の近辺は観光客向けの商売が成立してしまっているので、ちょっと微妙。

 食事  ★★★★☆

うまい!ローカルの料理は何食べてもうまい!ただしイタリアンとかコーヒーとか、ローカルの人たちがあまり食べないような食事のレベルは低い(し、カネもそれなりにかかる)。食事の値段は味というより店構えと雰囲気で決まる、というのはどの国でもほぼお決まりですね。ローカルのマジョリティと同じぐらいのレベルに合わせると、駅弁が160円。屋台に出てるサモサ(カレー味の揚餃子みたいなもの)はこぶし大×2で20円。チャイも1杯20円。ラッシー60円。オムレツのサンドイッチ(3つ)80円。焼きそば270円。基本全部安くてうまい。ほぼ外れなかった。味は全部カレー(というか、マサラというスパイスの組み合わせ?)で調えられています。焼きそばもそう。でもうまい。

あと、同じぐらいの価格帯であれば、レストラン同士のクオリティの差はあんまりないような気がする。それよりも、居心地のよさ(ルーフトップだったり、テラス席だったりなどなど)の方が重要。個人的には。ちなみに、4月は1年で最も暑い時期の一つだけど、乾燥しているので、風通しの良い日陰であれば、外の方が気持ちがいい。

よくお腹壊すと言われるけど、一度もなんともならなかった。幸運なのか、強いのかは不明。でも東南アジアでも一度も下さなかったから強いのかも?カットフルーツ(野菜)と生水を大量摂取することだけは避けたからかもしれない。ラッシー(自家製飲むヨーグルト)飲みまくったけどね。

 移動  ★★★★☆

どれもめちゃくちゃ安いし便利。特に市内は、リクシャーというオート3輪のタクシーが走っており(タイのトゥクトゥクです)、ちょっと乗るだけならそれこそ30円ぐらいで乗れちゃう。15分運転させて、だいたい100円ぐらい?とにかく安い。ただ、言い値で乗っちゃうと大損なので、ある程度交渉すべき(ま、それでも10円、20円の世界なので、テキトーなところで交渉切り上げてさっさと乗ってましたが)。ちなみに、交渉は、決裂して別のリキシャーを探すフリをしてからが本当の勝負だった。笑 大都市は地下鉄もある。キレイだし安い。初乗り15円ぐらい!

都市間は、電車とバス。これもエアコン付の夜行バス・夜行列車なんかで、だいたい1000円ぐらい(もちろん距離による)。夜行バスは結構しんどい。サスが効かない上に悪路なので、細切れにしか寝れない(カーテン付きのベッドが用意されているから、個室感覚で良いのだが・・・)。電車はかなり快適。3等寝台(エアコン付、標準よりちょい上のランク)しか使っていないけど、これかなり快適。ちゃんとベッドあるし、毛布も枕も支給される。あんまし揺れない。これはひたすら熟睡できる。唯一の欠点はちと汚いこと。基本は空気が乾燥してるからあんまし気にならないんだけど、たまに端っこでネズミが走ってたりする。笑

 気候 ★★★☆☆ ※デリー近辺

超暑かった。昼間は40度ぐらい。頻繁に休憩しないと死ぬ。歩き続けるのは不可能。ただ、湿度がないからカラッとしてて快適ではある。あと朝晩は20~25度ぐらいになるから、ますます快適。

気候は場所によってかなり違う。チベットに近いところだと、まだ朝晩氷点下だったりするらしい。

 街並み  ★★☆☆☆

安宿の周りは基本汚い。ゴミだらけ。牛と犬と鳩が転がっている。そしてウンコだらけ。当然蝿だらけ。バザール(フリマみたいな商店街)の肉屋近辺とか、もう息ができないぐらい蝿がいる。あと乾燥してるから土ぼこりがすごい。人も転がっているという話だったけど、印象としては、そこまでではなかったような。用もないのにそのへんに座っている人はたくさんいたけど。まあこれはイランと同じですね。

コンノートプレイスとか、もうちょっと上流っぽいエリアだと、さすがにウンコは落ちてなかった(犬は転がっていたけど)。

 ホテル ★★★★☆

超安い。ゲストハウス1泊800円~1,000円ぐらいで、風呂トイレつき、エアコンなし。もっと安く済ませることもできた。朝晩は結構涼しいからエアコン不要。家族経営のとことかだとかなり素朴なかんじで楽しい。ホテルはルーフトップにレストランついてた方がいいと思う。ホテルのレストランとはいえ全然高くないし、朝食とか夕食とか、パッと食べたいときにすぐ行けるし、のんびり本でも読みたい時とかはスタッフと顔なじみになっちゃえばかなり気楽。バスとか電車のチケットを取ってくれるところもある(もしくはコミッションが安い代理店を紹介してくれる)。

あと、インドは世界中から若い旅行者がたくさん来ていて、いろんな国の人と仲良くなれるのもいい。そういうのって、たいていはホテル併設のレストランがきっかけだったりする。

 言葉 ★★★★★

ほぼ英語が通じるのでOK。ただ、ホテルの人とか運転手とかは、ちょっと込み入った話とか、本人の仕事と無関係な話をすると全然分かってなさそうな模様。電車の中で会うインド人旅行客とかはやや上流階級なのか、相当流暢に英語を話すことができる。ていうか、こっちが全然追いつけない。笑

 人 ★★★☆☆

受け身になったらNG。とにかく、話しかけてくる奴らは基本的には何らかの狙いがあるものと思った方がいい。ただ、彼らは言葉巧みに騙そうとしてくるだけで、(少なくとも大通りでは、)別に無理やり何かをしたり、金品を脅し取ったりすることはなさそうなので、しょうもない話に適当に付き合うのもそれなりに面白くはある。ちょっと中心部から離れると、基本はリキシャのオジサンぐらいしか話しかけてこない。

こちらから話しかけて、そいつが悪いやつだった、ということはほぼなかったので、何かに困ったら自分から聞きに行くべき。一回、道を聞いたら、すごく親切に案内してくれたんだけど、途中から「家族がケガして金がないから金をくれ」と話し始め、困ったことがある。あと困るのが、子供が金をせびりに来ること!これは本当に本当に困った。 

 治安 ★★★★☆

女の子が一人で歩けるか、と言われればそれは怪しいけど(実際事件も起きている。しかもホテルで!)、男だったら全然問題なし。言葉巧みに騙そうとしてくるけど、はっきり断ればそれ以上のことはしてこない。 

 通信 ★★☆☆☆

安宿のWifiは結構不安定だし、ロビーしかつながらないことが多い。しかもよく分かんないけど国際ローミングでの電話もできなかった。ま、わざわざインドまで来て四六時中スマホいじってるのも馬鹿らしいし、諦めて本でも読んだ方がいいと思う。

 地球の歩き方 ★★☆☆☆

まあよくこんなにたくさんの都市を調べたものだと思った。すごい。やっぱり必需品。でも結構地図が間違ってる。細かいところから、ランドマークの近辺含めて。掲載されてるレストランなんかも、別に特別素晴らしいものばかりではない。宿も。どれも似たり寄ったりなので、あまり地球の歩き方に拘泥しすぎないで、そのへんのオジサンに道聞いたり、旅行者っぽい人にうまいレストランを聞いたりすればいいと思う。

イラン所感

死ぬほど長文になってしまったが、超個人的見解に基づくイラン旅行評価をしてみました。

※各論での評価と総評が必ずしもマッチしていませんが、それは、現地の食事がどれだけリーズナブルでうまいか・街歩きがどれだけ楽しいかという2点が総評に大きく反映されているからです。 

 

総評 ★★★☆☆

人懐っこさとイスラム文化の建築センスに感動。普段ネガティブな情報しか流れてこないだけに、これは日本に伝えなきゃだめだという使命感に火がついた。笑 本当にすばらしい。冗談抜きであんな趣のある宿とレストランはそうそうあるもんじゃないでしょう。

ただし、食事や宿など、かなり日本とは事情が違うということは理解しなきゃいけない。日本で育ったワタクシとしては、その辺はちょっとハードル高かった。旅の間ぐらいならもちろん何も問題ないんだけど、日本での生活に近い他の国に比べるとちょっとね。

 

参考までに今まで行った街を格付けしてみました。これも超個人的な見解です。

★★★★★ ニューヨーク

★★★★☆ カリフォルニア

★★★☆☆ タイ ベトナム マレーシア 台湾 イラン

★★☆☆☆ フランス スペイン ドーハ

★☆☆☆☆ デトロイト

 

というところで、以下各論。

観光スポット ★★★☆☆

大掛かりなイスラム建築と博物館が中心。イスファハーンという、日本で言う京都みたいなところの建物は信じられないぐらい大きい上にディテールもとても凝っていて、なかなか見応えはある。

ただし、かなりの建物が派手に改修中な上、イスファハーンですらそういう建物は数えるほどしかない。

あと、個人的に興味が薄いからかもしれないが、博物館は中途半端なところが多い印象。英語の説明も自分には分かりにくかった。

ツアーで観光スポットや世界遺産を回る旅には向いてなさそう。

食事  ★★☆☆☆

日本人の口には合わないものもある。付け合わせが8つ切りの生たまねぎだったり、結構キツい香草が山盛りだったりする。ただ、これは旅の後半からはかなり慣れてくる。味覚の体型を理解するようになるというか。これはこれでアリだな、と思うようになる。

問題は油分が多いこと!カレー系はすごくオイリーである。これは慣れなかった。

イラン料理以外を出す店はテヘランにちょっとある程度なので、旅行中にイラン料理以外を口にするのはかなりの難易度。というか、旅行中でイラン料理以外を食べたことはなかった。

あと、酒は禁止されているため、外国人向けのホテルであっても出さない。その代わりにノンアルコールビールがあるんだけど、ビールというよりは甘さ控えめのファンタみたいなものだった。

 移動  ★★★★☆

まず市内。郊外の観光スポットに行かない限り、ほぼ徒歩で回れる。あとは、タクシーが基本的に数百円なので使わない手はない。郊外の駅まで2,30分高速ぶっ飛ばしても1200円ぐらい。バスはアラビア文字表記だから分かりにくくて、わざわざ使う必要はないと思った。

都市間は、長距離バスと電車とフライトがある。長距離バスは死ぬほど充実してる。電車もなかなか。ちなみにバスは10時間乗って600円ぐらい、電車は6時間乗って700円。フライトも5000円ぐらい。安くて本数多いからかなり使い勝手はいいんだけど、日本で得られるスケジュールと違ってる場合もあるし、トラブルも起こりえるため、あまりカツカツしたスケジュールを組んじゃうと厳しい。実際、最終日前日にテヘランに向かうバスに乗ったけど、エンストして2時間止まった。

 気候 ★★★★☆

地域によるけど、長袖シャツ~半袖シャツぐらい。湿度低くて死ぬほど快適。ただしこれは今の時期限定で、夏は40度、冬は積雪もあるとのこと。

街並み  ★★★★★

今回のハイライト。乾いた大地という印象の強いイランだけど、山水や地下水を巧みに活用して、街中に緑を絶やさないようにしている。あとはその見せ方が素晴らしい。土で作った家が立ち並ぶ中、建物に入るといきなり中庭に死ぬほどきれいな庭園が出現するところは何度見ても感動。中庭に感動しやすいだけかもしれないがw 

物価  ★★★☆☆

メシは期待していたほど安くない。300円ぐらいは絶対かかる。ご飯は家で作って食べるのがデフォだから外食が高いんだろうね。だから、普段からみんなが食べるソフトクリームは40円と安い。

観光スポットの入場料は30円程度。破格。上述したけど、移動も信じられないぐらい安い。

あと、ちょっと本筋からは逸れるけど、カードがほぼ使えないというのも困り物。現金盗られたら一巻の終わり!ということでせめて2箇所ぐらいには分散して持っておきましょう。

ホテル ★★★☆☆

ドミトリーが少ないから安く済ませるのがちょっと大変。風呂トイレエアコンつきで、1泊1500~2000円程度。あんましキレイではない。普通のビルみたいな宿だとほんとに安宿という感じだけど、ヤズドという街の旧市街の宿は、昔キャラバンが泊まってた場所なんかを改装して使ってたりして雰囲気抜群。古さはほとんど感じられない。唯一の問題は蚊が入ってくることぐらい。

ホテルの従業員は基本的にとても親切で、タクシーや長距離バスの手配、果ては旅行のプランニングを手伝ってくれる人までいた(人に関しては後述)。

言葉 ★★★☆☆

ホテルでは最低限の意思疎通はできる程度の英語力を持ったスタッフが一人は常駐している。

街中ではほぼ英語は通じないと思ったほうがいいかもしれない。4、5人の集団に話しかけると、一人ぐらいカタコトの英語をしゃべれる人がいるという印象。英語が通じないとはいえ、街中で絶対必要な会話など、行きたい場所かモノの値段を聞くぐらいだから、全然なんとかなる。こちらが一生懸命話せば向こうも一生懸命理解しようとしてくれるし、困ってると英語をしゃべれる人が助けてくれることもある。

あと、ペルシャ語でこんにちはとありがとうを覚えておくとめちゃくちゃ驚かれ、すごく嬉しそうな顔をされる。

人 ★★★★★

半端じゃない人懐っこさ。街中を歩いてると、その辺でたむろしてるオッサンたちがすぐ声をかけてくる。ちょっと目が合ってこっちから「サラーム(こんにちは)」と言うと、かなりの確率でくっそ笑顔で挨拶してくる。すぐ握手を求めてくる。

道に迷いそうになってその辺の人に声をかけると、ほぼ確実に助けてくれた。スパイス屋のお兄ちゃんは、店番してたのにわざわざ店を閉め、案内してくれた。バスや電車に乗ったときもみんな親切。とりあえず食い物をひたすら分けてくれる。トイレ行って帰ってきたらコーヒー淹れておいてくれたり、果ては到着後のタクシーを手配してくれて、タク代まで払ってくれるやつもいた。なぜここまで優しいのか本当に謎。

ちょっと仲良くなると、食事にも招待される。ホテルの従業員や絨毯屋の兄ちゃんなど、仲良くなると、とりあえずこれ食べろという流れになる。

唯一残念なのが、観光地での客引きぐらいかなあ。まあこれはアジアのどこの国に行ってもあるか。特に日本語しゃべれるやつとはめんどくさい展開になりがちだから注意。日本で働きたいとか、絨毯売りつけようとしてきたりとか。

(余談だけど、日本語喋れる鬱陶しいヤツが、「オーその本知ってるよ!地球のマヨイカタ!」と言ってた時は笑った。きっとこいつを鬱陶しいと思った別の日本人が仕込んだんだろう。すごくスカッとした。)

あと子供たちは輪をかけて人懐っこい。遠足に出くわすことが何度かあったけど、そのたびに3、40人に囲まれて質問攻めに遭うwカメラを出そうものなら、全速力で駆け寄ってきて撮ってくれと言いはじめる。一緒に撮ってくれとも死ぬほど言われる。軽く有名人にでもなったかのようである。w

ちなみに、話しかけてくるのはほとんどが男性。女性はほぼ話しかけてこなかった(このあたりは後述)。

治安 ★★★★★

全く問題ない。スリがあると聞いていたけど全然そんな気配はなかった。ボッタクリも全然なかった。深夜のバスターミナルが危険と聞いていたけど、基本的にすぐバスの同乗者と仲良くなっちゃうから、彼らについていってタクシー乗り場まで行けば全く問題なかった。

通信 ★★★★☆

たまにwifi通じないホテルがあるけど、ちゃんとホテル選べば問題ないはず。iphoneもって行けば、基本的にローミングで電話もできる。いくらかかってるんだか分かんないけど、まあそんなに長電話するわけでもないし、大丈夫なはず。(不安になって調べたら、30秒300円だった。。。4000円分ぐらいは喋っちゃったな・・・ 

地球の歩き方 ★★★☆☆

ホテルやレストランの情報は古いし、何よりトラベル会話集がイマイチ。ただ、こんな情報の乏しい国の迷路みたいな市場の地図がきちんと載ってたりするところはさすがだと思う。どうやらロンリープラネットを持っていったほうがいいみたいだね。

 

 

評価とは関係ないんだけど、普段イスラム教に触れる機会がほとんどないので、宗教についてもちょっとだけ。

 

イランは超厳格なイスラム教。酒は絶対だめだし、女性は旅行者だろうが非ムスリムじゃなかろうが絶対スカーフ着用が義務付けられている。また、男性と話すこととか、男性のカメラに写ることもご法度っぽい風潮。とはいえ、女性の敬虔さの度合いは世代によるっぽい。

旅を通して女性に話しかけられたことが3回あったと思うけど、自分と同世代から話しかけられたのが1回と、高校生~大学生あたりから2回。それ以上の年代からは、男と一緒にいる女の人を除けば皆無。また、写真を取らせてくれたのは高校生だけだった。服装に関して言えば、女性は原則として体のラインが見えるような服を着ちゃいけないことになってるんだけど、そのあたりはだいぶアバウト。若い子はピタっとしたトレンチコートみたいなのを着てる人が多かった。

男性は世代を超えて結構オープンな人が多い印象ではあった。ポルノがご法度な割に、くっそ卑猥なエロ動画を見せ付けられたこともあったし、iphoneにエロ動画入ってないのかと何度か聞かれたりした。笑 あとは大統領やホメイニを茶化してるやつもいた。

一方で死ぬほど敬虔な人がいるのも事実。「Girls are west.(最近の若い女の子は西側指向である)」と嘆いている29歳がいた。彼は聖地を巡りに10年前イラクに行ったとのこと。

宗教観については結構バラツキがあるんだなあと感じた。特に高校生ぐらいの若い女の子はかなり欧米寄りのマインドなんじゃなかろうか。彼女たちがもうちょっと大きくなったとき、どういう国になっていくかは見てみたいと思った。

ちなみに、お前は何教なんだと聞かれることがあるが、無宗教とは絶対に答えない方がいいらしい。

 

あとビザに関しても一言。

行く前にはいろんな人からくっそ脅されたけど、行ったらすんなり取れた。帰りのチケットとホテルの予約ができてればまず大丈夫といったところか。もちろん情勢によって変わることはありうるとは思うし、実際何の手続きもなしでぶっこんだのは15人中自分含めて3人ぐらいしかいなくて、しかも結構待たされたからヒヤヒヤしたのも事実。

日本でビザを取得するのは結構金かかるので、少なくともイランの外務省の許可を取り付けるとこまではやりましょう。それ自体はタダ。今は許可を取り付けるシステムがダウンしているけど、そのうち復旧するでしょうしね。

 

耳コピのすすめ(その2)

その2です。とりあえず、お題を設定して音を取ってみましょう。

 

お題 :Virtual Insanity


Jamiroqaui - Virtual Insanity (Official Music Video)

 

はい、カップラーメンのCMでも使われた超有名曲ですね。ちょっと古いですが、いってみましょう。この曲を選んだのは、イントロでピアノの音がよく聞こえるからです。かなりオシャレなサウンドですが、頑張ればできます。
リンクがうまく再生できない場合はYoutubeで調べてね!笑 アメリカだと再生できないけど日本ではOKというケースもあるみたいなので検証不可能・・・

 

キーとダイアトニックコード確認

まずキーを確認します。確認のしかたはいろいろありますが、ググってくださいw基本的にググれば分かることは書きませんw

キーはEフラットマイナーですね。そうすると、ダイアトニックコードは、

Ebm7, Fm7-5, GbM7, Abm7, Bbm7, BM7, Db7

となりますね。ダイアトニックコードを確認するメリットですが、このコードのどれかが正解であることが多いからです。特にトラディショナルな曲であればあるほど。つまり、ルート音さえ取れてしまえば、あとはそれに対応するダイアトニックコードをつけていけば半分終わりです。ということで、やってみましょう。

ダイアトニックコードによるコード候補

お題のイントロ、ルートはEb, Ab, Db, Gb, C, B, Bbのループです。ということで、とりあえずただダイアトニックコードをつけるとこうなります。

Ebm7, Abm7, D7, GbM7, C?, BM7, Bb7

Cがよく分からないですが、あとはだいたいコード候補が分かりましたね。
ルートはどうやって取るねん!!という声が聞こえてきそうです。気合いで取ってください。笑 こればっかりは仕方ない。ピアノ出身の人って結構音感良いと思いますが、低音の音取りってほとんどやったことないと思います。ということで最初は難しいですが、こればっかりはやらないと話にならないので頑張ってください!笑 特に今回はピアノの左手がめちゃくちゃ聞こえるので、ベースラインの音取りという意味では相当簡単な部類です。 そうはいっても・・・という読者様のためにヒント。ここも、基本的にはダイアトニックコードのどれかである可能性が極めて高いので、基本的には選択肢は7つしかありません。あとは、非常に感覚的ですが、「低すぎて聞こえねーよ!!!」というときは大体CとかC#あたりです。それより下はほぼでてこないと思います。

コード候補の検証

さて、次は、この候補が本当に合っているのか検証します。検証のしかたは3段階あります。
ステップ1:トップノートが候補コードのコードトーンかどうか
ステップ2:理論から攻めた時に妥当か
ステップ3:響きが同じかどうか

3はちとムズイですが、やっぱり避けて通れません。コード理論から攻めるのには限界があるので・・・ 

コード候補の検証 ステップ1

まあ、まずは1からやりましょう。聞いてみると、トップノートはこんなかんじになっていると思います。

Gb, Gb, Ab, Gb, Gb, Gb, Gb

すごいですね、これ。コード進行のキモとして、トップノートをなるべく動かさない、という原則があるんですが、ここまで動かないのも珍しいですよね。(余談ですが、同じくJamiroquaiのLittle Lという曲も、イントロのトップノートが全然動かないです。)

さて、一つ一つ見て行きましょう。

①Ebm7はGbを含んでいるのでOK、
②Abm7もGbを含んでいるのでOK、
③D7もAbを含んでいるのでOK、
④GbM7もGbを含んでいるのでOK、
⑤Cは不明、
⑥BM7もGbを含んでいるのでOK、
⑦Bb7はGbを含んでいないのでNG

と、まずはこんなかんじになります。

ステップ2

さて、次はコード理論の観点からチェックします。まず、コード①~③に着目すると、II-V進行になっていますね。つまり、②はセブンスである可能性があります。ということで、ステップ3で、「②についてはセブンスの可能性もある」と考えて検証する必要があります。
次に、よく分からない⑤のCですが、CがルートでトップノートがGbということは、よく考えるとCm7-5しかほぼありえないわけですね。一応可能性としてオルタード系(ここでは#11)のセブンスの可能性もありますが、オルタード系セブンスは基本5度下のマイナーコードで解決される、という理論の原則が分かっていれば、今回は次のコードが半音下のメジャーコードなので、排除できます。
最後に、⑦Bb7のコードトーンにGbがないためNGとなっています。しかし、理論で見ていくと、Bb7というのは、①のEbm7に解決するのにうってつけです。しかも、GbはBb7から見るとb13th(オルタードテンション)となっており、これを加えることでますますEbm7に戻りやすくなります。更に、直前のコードをIVM7とかんがえると、IV-V-Iという超ポピュラーな進行が浮かび上がってきます。ということで、ここでのGbはコードトーンではなく、オルタードのテンションという解釈をすることが一番自然です。

ここまでで、最初に作ったコード進行がこんなかんじになりました。

Ebm7, Ab7, D7, GbM7, Cm7-5, BM7, Bb7(b13)

さて、次はいよいよ最後の難関です。

ステップ3 響きから判断する

さて、ここが難しいところです。ここまでやってきたステップ1,2は、実は、このステップ3の難易度を下げることが目的です。というのも、闇雲に響きから判断するのはめちゃくちゃ難しいですが、ダイアトニックコードやコード進行等のアプローチで候補となるコードの選択範囲を狭め、2択や3択にしていけば、響きから判断できる可能性はグッと高まるからです。それでは、やってみましょう。

まず、②Abm7ですが、これは実際に自分で弾いてみれば一目瞭然かもしれませんね。音源で明らかに明るい響きが聞いて取れますので、Ab7で決定です。
次に、③Db7ですが、これはやや難しいですが、音源はDb7より複雑な響きをしているように聞こえます。テンションが入ってる?と思ってDb7にいくつかテンションをはめてもイマイチそれらしく聞こえない・・・。実は、これはJazz以外のポピュラー音楽では超使われるのですが、IIm7 on Vという形のオンコードです(発展形で、IVM7 on Vというのもあります)。
Abm7の転回形にDbのルートを組み合わせると、かなりそれらしく聞こえると思います。ということでこれはAbm7/Dbが正解です。これはコード理論の本ではあまり扱ってくれないですが、死ぬほど出てきます。普通のセブンスだと「ちょっと響きが直接的すぎる」という時で、テンションコードでもしっくりこない時はこれを試しましょう。逆に言えば、理論やダイアトニックコードで詰めた時にセブンスが出てきそうなところでは、セブンスのテンションとこのオンコードを確認すれば大抵どちらかが当たります。
最後に、④GbM7です。ボイシングの原則のひとつに、トップノートと2個目の音が半音でぶつかってはダメ、というルールがあります。このコードのトップノートはGbでしたね。そうすると、積み方は必然的に下からBb, Db, F, Gbとなりますね。ここで、FとGbが半音でぶつかるので、基本はこういうボイシングはしません。この原則から、GbM7はNGとして排除できたのですが、わざとそういう効果を狙うこともあるので、理論で切らずに最終的な確認はステップ3に残しました。で、聞いてみるとトップノートが濁ったかんじはしませんね。ダイアトニックコード上ではメジャーコード、しかもII-Vの解決先、と来たら、GbMかGbM7かGbM6しかないです。GbMだとあまりにサッパリしすぎていることは弾けばすぐ分かる(と思う)ので、ここはGbM6が導き出せると思います。

という風にやると、答えは、
Ebm7, Ab7, Abm7/Db, GbM6, Cm7-5, BM7, Bb7(-13)

となりました。ちなみにボイシングについてですが、これはこれで詳しく書く必要があるんですが、、、基本的には、トップノートが分かって左手(ルート音)がわかっているので、あとは残りの音を右手で弾けるようなボイシングにすればおしまいです。たとえば、Ebm7であれば、ルートがEbでトップノートがGbですよね。なので、Ebを左手で弾いて、トップノートをGbにして、残った2つの音(Bb, Db)を右手で弾けるようにボイシングします。下からEb, Bb, Db, Gb、となります。考え方は簡単だと思いますが、自由に弾きこなすには結構な時間がかかると思いますので、鍛錬あるのみ・・・。

ちなみに、もう少し詳しいボイシングのお話はこちら↓

初めてキーボードをはじめるあなたに(7)コードはわかったけどボイシングどうすんねん - so far

ということで

たいていの曲は、こんなかんじで耳コピできちゃいます。注意したいのは、不思議なサウンドがウリのアーティストとか、アニソンとかはこれでは対応できないものも多いので、まず最初はR&Bもしくはそれっぽい人の曲で試してみるといいと思います。できなかったらYoutubeのURL付でコメントくださいwでは幸運を祈る。