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駆け出しキーボーディストの皆様に耳コピの仕方、曲の解説などやってます。

When in the Rome, do as Romans do

日本語で言うと「郷に入りては郷に従え」。これはよく異なるコミュニティ間で人が移動したときに使われますが、個人的にはこの言葉は海外旅行が最もハマる、と思います。
この言葉、「郷に入りては郷に従え、ということで左手でケツ拭きました」とか、「歓迎会でヘルメットに日本酒注がれました」みたいに、飛び抜けたカルチャーギャップへの戸惑いと共に使われることが多いですが、ここではそういうことではなく、旅先の住人の生活やスピード感に従いましょうという意味で使っています。

例えば、先日インドに行ってきましたが、渡航前はガッチリルートプランニングしていました。デリー到着後、翌日にはバラナシに行ってガンジス川を見て、その後タージマハルに行って、デリーに戻って帰国しようと思っていました。
しかし、着いて早々デリーで客引きに声をかけられ続けたこと、死ぬほど暑かったことで、観光地を巡るプランは現実的ではないと思って早々に諦めました。笑
落ち着いて周りのインド人を見ると、みんなダラダラしてるんです。日陰で。で、実際自分も日陰でダラダラしてみると、これが結構気持ちいいわけです。インドは暑いですが湿度がすごく低いので、直射日光さえ避ければ35度でも割合涼しげに過ごせることが分かりました。しかも、多くのホテルには屋上にレストランが併設されていて、心地いい風を感じながらダラダラできるようになっていました。
また、インドに行ってきたと言うとよく言われるのが、「毎日カレーだった?」というお決まりの質問ですが、実際そうでした。笑 といっても日本のカレーというよりは、あらゆる料理にカレーっぽいスパイスが使われてる、というレベルですが。最初は飽きるかも、と思ったんですが、暑さも手伝って全然飽きないんです。これが。むしろ、インドで食べたスパイス風味の焼きそばみたいなのとか死ぬほどうまくて、正直日本のソース焼きそばとか全然勝てないと思います。同様に、チャイとラッシーはどちらも死ぬほど甘く、日本にいたらほぼ飲まないのですが、酷暑の中で飲むと不思議とおいしく感じられました。ちなみに、試しに現地のマックに入ったらおいしくなかったです。マジで。

ガンジス川とタージ・マハルに絶対こだわり、日本食や西洋料理ばっかり食べていたら、こんな満足は得られなかったと思います。酷暑の中、無理して遠くまで移動し(デリーからバラナシってめちゃくちゃ遠いんですよ)、観光客目当ての客引きに悩まされ続け、うまくない日本食を食べて帰ったら、旅行なんて絶対楽しくないと思います。だいたい、そういう無理した時に免疫力が下がってお腹こわしたりするんですよね。せっかく来たからには最大限楽しみたい。そう考える中で自分がたどり着いたのが、郷に入りては郷に従え、という諺でした。特に途上国を巡る時には大事にすべきだと思います。なんでもかんでも日本での過ごし方と同じ視点で考えたら絶対楽しくないです。

時に、日本では経済成長=豊かさ=幸せという思考回路で物事が回ってしまうことがあります。僕ももちろんそうですが。ただ、それなら途上国の人々は全員日本より不幸だと感じているかというと、ほとんどそういう風には思えません。インドの時も、イランに行った時も、みんなボロボロの車に乗ったり汚い服来たりしてますが、みんな楽しそうにしています。そういう人たちの「幸せの感じ方」みたいなものを吸収できると、旅行ってすごく楽しくなると思いますし、日本とは違った幸せをほんのちょっとだけ感じることができます。それが旅行の醍醐味だと思います。

というところで、When in Rome, do as Romans do.という言葉を是非とも旅行中に思い出して、その国の楽しみ方をローマ人から学んでみてはいかがでしょうか。