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初めてバンドでキーボードをはじめるあなたに (1)キーボードでカバーすべき音色

さてさて、あっという間に時間が経過していました。すいません。前回お話ししましたように、初めてバンドでキーボードを始める方向けに、バンドで必要となるキーボードのノウハウをできるかぎり網羅的に書き綴りたいと思っています。

今回は本編その1ですね。キーボードでカバーすべき音色、です。これは最初のトピックの割にはなかなか難しいです。というのも、キーボードでカバーすべき音色は、基本的な編成(ボーカルギター鍵盤ベースドラム)の場合、他の4パートが出さない音全て、キーボードでカバーすべきと周囲に認識されているからです。何も考えずに練習に行くとこうなります。
ボーカル「じゃあ今日は、先週決めた通り、MISIAのEverythingを演奏しよう」
ドラム「じゃあいきまーす、1234」
「・・・・」
ギター「あれ、鍵盤でイントロのストリングスやらないの?」
ベース「間奏のストリングスやってほしいんだけど」

どんな曲やったとしてもこうなります。多分。この音を出せとかこのパートをやってほしいとか、いろいろリクエストがあります。で、実際に頑張れば大抵の音色は再現できます。シンセサイザーは優秀ですからね。でも、最近の曲のほとんどは多重録音がなされていて、キーボード1本で全てのリクエストを同時に対応することは不可能です。じゃあどうするか?答えは、曲をどのように再現するか、キーボーディストがはっきり表明することです。
そうすると、例えばさっきの会話の答えはこうなります。
「キーボード1本でこの曲の壮大さを再現するのは無理だから、いっそピアノ1本にしてアコースティックにやる方がいいと思う。バンドだし。」
要するに、バンドでキーボードをやるということは(特にキーボードが1人の場合)、曲をライブ用に編曲するのとほとんど同じ作業と考えていいです。
例えば、この曲。MISIAの「眠れぬ夜は君のせい」という曲です。上が原曲で下がライブのアレンジです。ライブの方ではイントロのハープやストリングスはすべて省略し、ピアノ(ウーリッツァー)1本で弾いていますね。ハープやストリングスを中途半端に再現するよりは、キーボードで演奏しやすい音色(ここではウーリッツァー)に専念しようという考え方だと思います。念のため言っておきますが、キーボードはだいたいどんな音でも出ますが、一番得意なのは鍵盤楽器です。ストリングスはバイオリン奏者にやらせた方が絶対いいに決まってますし、ハープはハープ奏者にやらせた方がいいです。(途中からストリングスが入っていますが、これは別の人が弾いてます)


MISIA - 眠れぬ夜は君のせい - YouTube


MISIA - 眠れぬ夜は君のせい - Hoshizora no Live Ⅱ - YouTube


もうひとつぐらい例を出しましょう。これはSkoop On Somebodyのama-otoという曲ですが、この人達ボーカル・ドラム・鍵盤の3人バンドなんです。ライブでは基本的にはサポートのミュージシャンを使っていますが、たまに3人でやりたくなるらしく、3人で演奏する用に曲を編曲しています。これも参考になると思います。原曲はエレピ(フェンダーローズ)とストリングスですが、3人だとギターとベースがいないので、ピアノ1本にして、イントロは左手でベース、右手でアコギのパートを弾いてますね。


Skoop On Somebody-ama-oto - YouTube


Skoop On Somebody--ama-oto(CLUB S.O.S version ...

 

ここまででだいぶ分かったと思いますが、スタジオ版(CDなど)とライブ版はほとんど別物です。いろんなアーティストのライブ動画を見るとわかると思いますが、ライブではライブ用に大幅なアレンジ(編曲)が行われていることも多いです(むしろ全くアレンジしていないことはほぼゼロです。もし見つけたら、それは裏でCD流してるだけです)。
ということで、話を戻すと、どういうキーボードパートを弾けばライブならではのサウンドを出せるか、という切り口で自分のパートを考える必要があります。
でもそんなこと言ってもちっとも分かんないすよね。ということで、ここではライブでキーボーディストに優先的に選ばれる音色を列挙していきます。ライブの中でキーボードに最も求められるのはリズムとハーモニーです。なので、必然的に音色はある程度決まっていきます。

■最優先(鍵盤系)

これぞ!というかんじですね。王道です。 だいたいキーボードが必要そうなバンドでは、このどれかが入っています。リズムとハーモニーの観点からも超重要なパートなので、最優先でこれらの音色を検討しましょう。


 

■まあまあ優先

  • ストリングス
  • パッド系

 雰囲気出すのに結構重要です。ただ、注意すべきは、CDではよく聞こえるけどライブではあまりよく聞こえないということです。プロの音源でも、ライブ版を聞くと、ストリングスが省略されていることはあります。CDのサウンドを再現したいバンドメンバーとかがストリングスをやれと言ってくることがありますが、無茶な要求である可能性も高いです。Youtubeでコピーする曲のライブ版なんかを聞いて、やれるかやれないかを判断しましょう。
もしくは、折衷案もありです。例えばピアノとストリングスが鳴っているのであれば、ストリングスがよく聞こえるところだけはピアノとストリングスをやって、そこ以外はピアノ1本でいくとか、ピアノにパッドを重ねてストリングスの雰囲気を代用するとか、そういうことも考えましょう。

さて、長くなりましたが、今回はバンドで曲をコピーする時にキーボーディストがどんなことを考えて自分の演奏パートを決めるのかをお話ししてきました。ただし、敢えて今回は全てバッキングとしてのキーボードに限定して話しています。 

 もちろん、バンドのフロントマンとして、独創的なソロを展開させながら引っ張っていければ一番かっこいいです。でも、世の中の多くの音楽にはキーボードの伴奏がつきもので、これができることになることで、演奏のチャンスは飛躍的に増加します。プロのLIVE映像をYouTubeで探して研究しましょう。


次回はいよいよ耳コピのやり方をお話ししたいと思います。