私を構成する9枚レビュー その3
さてさて、このシリーズも第3回となりました。私を構成する9枚に載せたアルバムを順にご紹介しております。今回は山下達郎のLive盤、JOYです。
私を構成する9枚レビュー その4
私を構成する9枚レビュー その2
本当に油断するとすぐに更新が途絶えるねw
すっかり遅くなってしまいましたが、レビュー第二回の今回は、Donny HathawayのLiveをご紹介!
Donny Hathawayというのは、1960~70年代にかけて活躍したSoulシンガー(兼キーボーディスト)。Marvin Gayeの名曲What's Going Onで始まるこのLive盤は、Soul好きな人で知らない人はいないはずですね。それぐらい有名。めちゃくちゃ有名。ワタクシがこんなところでレビューするのもおこがましいぐらい有名。
当時は公民権運動(キング牧師のアレ)が全米を巻き込むムーブメントになっていて、その中でDonnyは黒人のGhetto(貧困地域)について歌っていました。しかしDonnyは当時の黒人としては珍しく割と裕福な家庭出身。ヒットしている歌のメッセージと自身のバックボーンに矛盾を感じ続け、最後には自死を遂げてしまうのです。。。若くして死んでしまったので、作品は少なめですが、メッセージ性だけでなく、その音楽性も素晴らしいので、今回取り上げました。
ピアノ弾き語り+バンドという形式が多いのですが、実はアドリブもすばらしい。名うてのバックミュージシャンの上を自在に走り回るソロは、キーボーディスト必見です。ということで、今回はそんなDonnyのインプロがじっくり味わえる曲を中心にセレクトします!
Donny Hathaway - Voices Inside (Everything Is Everything) - 1972
Donny Hathaway - What's Going On (Live Version)
あーもう本当にかっこいい。。。笑 ちょっとだけ解説しますか。とにかく注目してほしいのはリズムです。イーブン(ハネないやつ)でもハーフタイムシャッフル(ハネるやつ)でもない、チョイハネというリズム感を全員で共有していて、そのどっちつかず感が2・4拍目の力強さとグルーブのスムーズさを両立している気がする。これは死ぬほど難しい。みんなでメトロノームに合わせるのならなんとかできそうだけど、このチョイハネというやつはメトロノームでは存在し得ないタイム感なんですね。だから全員が全員のタイム感をよく聞きながら一致させていかなければならない。これは難しいぞおおおおおお!!!
2個目に紹介したのが一番有名なWhat's Going Onですが、歌モノのくせに最後に2分ぐらいソロ弾いています。笑 ちなみに、ここはAm7を8小節、Amaj7/Bを4小節というループで回していますが、Am7のところはAドリアンでソロを取っていますね。Fがシャープになっています。マイナー7th一発モノの場合、最初はエオリアンでソロ取ることが多いと思うけど、ドリアンの方がカッコイイことが多い気がするなあ。
ちなみに、ギターはCornell Dupreeという、Stuffに在籍していたスーパープレーヤー。この時代の演奏では引っ張りだこですね。メインであるDonnyをいかに立てるかという点に集中してバッキングに徹しています。これはこれで最高にかっこいい。ギタリストの方も必見です。
ということで、今日はこのへんです。残念ながら、自分の好きな音楽を言語化して人に紹介するのが絶望的に下手な気がしてきたw
あと、アクセスのランキング等確認すると、結局耳コピの記事と初心者キーボーディストの各種指南の記事がぶっちぎりで人気である。もはやレビューとか必要ないのかなあ。課題曲をひたすら耳コピする記事とかの方が皆様喜ぶのかなあ。。。
といったあたりで、また後日!
私を構成する9枚
最近FBやInstagramでちょこちょこ目にしますね。アルバムのジャケットを9枚並べるやつ。せっかくだしワタクシもやってみようかな、と思いましたが、これが案外むずかしい。。。再生回数が多いアルバムを並べても全然自分の音楽的趣味の幅を説明できているように思えないけど、かといってその場の主観で選ぶと、無意識に名盤と呼ばれるものばっかりになりそうでそれも違う気がする。
あと、お題の意味が曖昧すぎる。確かに「私の好きな9枚」だとあまりに表面的だし、そんなの改めて考える必要はないと感じてしまうけど、「構成する」になると、自分の音楽的趣味はどんなルーツから来ているのか?とか、自分の音楽的趣味を最も説明できる9枚は何なのか?とか、いろんな解釈ができちゃうね。逆にいろんな解釈が出てくるから秀逸なのかもしれないけど。
ぶつぶつ言ってみましたが、結局やりました。「構成する」という言葉は、「自分の耳を形成した」と読み替えることにしました。皆様新しい音楽に好き嫌いの判断をしていると思うのですが、その判断基準に影響を与えた音楽があるはずです。例えば、私は高校生の時はロックしか聞いてなかったですが、大学に入ってソウルを聴き始めたことで、ソウルっぽいアプローチのある新譜について、好き嫌いの判断ができるようになりました。ロックしか聞いていなかった時は、ソウルなんて好きでも嫌いでもなかったですから。
で、やってみた結果がこれです。本当に時間かかった・・・
Live / Erykah Badu
Live / Donny Hathaway
JOY / 山下達郎
Try! [Live] / John Mayer Trio
Live in San Francisco / the New Mastersounds
Next / Soulive
Talking Book / Stevie Wonder
Body and Soul / Dexter Gordon
Discovery / Daft Punk
せっかくなのでレビューも兼ねようと思ったけど、これ全部はかなりきついね!
ということで、ちょっとだけにします。
Live / Erykah Badu
記念スべき一発目はNeo soul界の最高峰、Erykah Baduでっせ!ネオソウルとは、90年代後半から始まった、クラシックなソウルを現代的なサウンドで蘇らせたジャンルのことなんです。他で有名なのはD'Angelo大先生などなど。2000年前後のサウンドだからかなり現代的なんだけど、ビートの感じはとても黒人的。使っている音は、鍵盤はビンテージ系エレピとクラビネット+ワウという感じで古い機材なんだけど、ベースはかなり大出力のアクティブを使っている。
ビートはめちゃくちゃ重いんだけど、リズム隊が絶妙のグルーブでうねらせてるからどんどん進む。ビートが重くしようとするとテンポが遅くなったり、テンポを上げようとするとビートが軽くてかっこ悪くなったりするんですが、重いのに進むという、普通に考えたら矛盾しそうなことを実現しているんですね、この人達。本当にありえない!
どの曲も本当にオススメなんですが、2曲ほど紹介。
Erykah Badu Live - Full Album 1997
Otherside of the Game 3:50
Stay 46:45
Other side of the gameはスタジオ版よりテンポ遅めだけど、その分ベースとドラムのタメ感がかっこいい!
StayはChaka Khanのカバー。このライブではスローテンポな曲のうねりを聞いてほしいけど、初めて聞くにあたってはこれぐらいテンポいいやつの方が聞きやすいよね。
いやーこの記事は時間かかるぜ・・・笑
次回はDonnyのLiveいきます!これも名盤!!!死ぬほど名盤!!!!!!!
初めてキーボードをはじめるあなたに その4-2
カサノバ先生御乱心
初めてバンドでキーボードをはじめるあなたに(4)初回練からライブまでの進め方(+α)その1
さて、一応これで最終章です。ただ、他にも喋っておきたいことが山のようにあるので、随時単発でor必要に応じてシリーズ化してお届けしたいと思います。
さて、実はもともと5本構成でいこうと思っていたんですが、コード理論の章を完全にすっ飛ばしてしまいました。笑 コード理論はなかなか1話で完結しにくいからしゃーない!ということにしましょう笑 一応ちょっとだけ触れておきましょう。詳しくは後日やります。
コード理論てどうやって勉強すんの?
コード理論はざっくり分けると以下3段階に分けられると思います。
①基礎編(度数とは/12キー/コードネームの読み方)
②中級編(機能和声)※コード進行のカラクリ
③上級編(スケール)※アドリブの考え方
①と②は簡単なので、本を1冊読めば多分わかりますが、③(場合によっては②も)は複数のソース(本かweb)を参考にしましょう。コードとスケールは複雑に絡み合っていて、とても1通りの説明だけでは理解できない。ワタクシも複数の切り口で説明されないと理解できなかった。②まではほぼ完璧に理解できたけど、その先が大変だった。③でつまづいて、とりあえず4冊ぐらいはいろいろ読んだ気がする。ということで、なんでもいいから複数のソースで学びましょう。あとは、このブログに質問なげてくれてもいいです!頑張って回答します。
では本編にもどりましょう
さて、それでは本編です。初回練からライブまでの進め方です。ここでは大きく①初回練までの用意の仕方、②練習の進め方、③ライブ本番のお作法、について説明したいと思います。今回は非常に長いので、2話に分けますわ、、、
①初回練までの用意の仕方
とりあえずコピーバンドを組んで、ライブの日取りも決まったとします。それまでに練習やって本番を迎えるわけです。経験上、あまり慣れていないメンバーが中心となってライブをやるならば、どんなに少なくとも5回は練習入れた方がいいと思います。かつ、初回練は2ヶ月前。もちろん選曲と初回練までの準備の時間があるから、最初に出演の意向を固めるのは3ヶ月前ぐらいになります。結構前もって動くものなんです。
さて、曲と初回練の日取りが決まったら、とにかく音取りの日々が始まります。音源は共有されていますか?これ地味に超重要なので、忘れずに確認しましょう。「東京事変の群青日和やろうね」ではなく、どのテイクなのかまで確認しましょう。最近はYoutubeで色々なライブ音源を聞けるようになったので確認した方がいいです。ライブ版で音取ったらキーがスタジオ版と違うことなんかもありました。バンドリーダーは最低でもYoutubeの音源URLを共有するか、やりたい音源をDropboxとかで共有しましょう。
初回練までに絶対準備しなきゃいけないのは、曲の構成を取ってくることです。構成というのは進行というか、Aメロが8+8小節あって、サビが8小節で、、、というやつですが、これは本当に適当にやるとメンバーに白い目で見られる!笑 すべてのコードが取れなかったとしても構成だけは確実にやりましょう。
スタジオは基本的に電話一本で予約できますが、週末は特に埋まるのが早いので最低でも2週間前には押さえましょう。都心であれば、ノアは人気なので混みます。他はゲートウェイとかペンタとか、そのあたりでしょうか?スタジオによって色はありますが、基本的にはどこでもいいと思っています。レンタル機材に差がありますが、自分で持っていくならそんなに充実してる必要ないしね。スタジオ比較はまた今度やりましょう。
②練習の進め方
いよいよ初回練です。スタジオには遅くとも10分前には到着しましょう。初めてのスタジオなら初回登録をしなきゃいけないですし、キーボーディストはスタンドやシールド、延長コードなどを事前に受け取っておく必要があるからです。どの部屋も同じ時間に客が入れ替わりになるので、ギリギリに行くと受付で待たされますよ。
スタジオに入ったら、まずは自分の機材のセッティングをしましょう。延長コードとかシールドとかキーボードスタンドとか、あらかじめ頼んでおかないと都度受付に行くハメになるので面倒です。だいたいセッティングに10分はかかります。片付けも5分ぐらいかかるので、スタジオは基本的に3時間に押さえた方がいいと思います。2時間だと結構慌ただしい。休憩取れないと思った方がいい。
ギターベースドラムはすぐ音が出ますが、キーボードはPAに繋ぐのでやや複雑です。PAの使い方が分からないと悲惨です。音出ない、と思ったらスタジオの人を呼びましょう。その際に音が出なかった原因を確認して次回は自分でできるようになること。よくあるのは、PA卓の電源は入ってるけど下にあるパワーアンプの類に電源が入っていないケース、ジャックの差し込み口でinsertとline inを間違えるケース(line inが正解)、gainが上がっていないケースでしょうか。トラップいっぱいです。気をつけましょう。
初回練はとにかく何度も繰り返し通して合わせましょう。構成だったりノリだったり、通しながら個々人が確認することはたくさんあります。細かいリズムのノリとかは後回しにしましょう。どうせこのタイミングでそこまで気にしながら演奏してるやつなんていないから!笑 あと、このタイミングで構成とコードに関する疑問は全て解決しておきましょう(フェードアウト音源の終わり方確認は除く)。逆に、ここ以外で確認するタイミングはないと思ってください。コードは分からない箇所が多い場合は事前にギター・ベースと確認しましょう。ただし、経験上ギターとベースがコード取ってくることはあまりないorあっても間違っています。せいぜいアテになるのはベースのルート音ぐらいでしょうか。。。コードがまともに取れるのはキーボードだけです。そこは自分の責任範囲だと思って気合いでやってきましょう。
…大分長くなっちゃったので、続きは次回!!笑 次は、練習の進め方とライブ本番のお作法についてです。