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駆け出しキーボーディストの皆様に耳コピの仕方、曲の解説などやってます。

初めてキーボードをはじめるあなたに(7)コードはわかったけどボイシングどうすんねん

どうも!日本は三連休ですね。こちらはもちろんそんなことはありませんが、週末というものは素晴らしい。取引先の社長と会長と当方との会食を楽しくお開きにし、本格的な週末の始まりです。

どうでもいいけど、このタイトルいい加減変えたい。「初めて」キーボードを「はじめる」て。始めるのはほとんどの場合1回しかないし。なんでこんなタイトルにしたんだろう。正直書きはじめた頃はこんなに検索されることもなかったし(現在、「耳コピ キーボード」とかでググるとこのブログがトップの検索結果なんですよ。(ドヤ))、適当だったんでしょうね。あと、まさかこんなに続くとは思わなかった。とりあえず耳コピの仕方と楽器の選定と、ライブでのお作法を書いたら終わりかなと思っていたんだけど、意外と他にも気をつけるべきことがあって、結局ずるずるここまで続いてきました。

あと、さらにどうでもいいと思うけど、途中にちょいちょい仕事の投稿とかしてるんですが、これ本当は別のブログでやるべきだったね・・・ターゲティングが甘い。まあ、半分以上自己満足でやってるから書きたいように書くというのが大事だったりするんだけども。

さて、前置きが長くなりました。今日はボイシングについてです。皆さん、ボイシングできていますか?「ドロップ2ぐらいですけどやってます」みたいな人は今回の読者様ではないですね!笑 今回はもっとシンプルな話。ポップスやR&Bなどで出てくるコードのボイシングってどうやるの?という話です。これもできるだけ鍵盤使いながら読んでね。

そもそもボイシングとは

ボイシングというのは、コードの転回のことです。ドミソなのかミソドなのかソドミなのか、的な。クラシックだとこの3種類は全て違う和音として捉えられるのですが、ジャズをはじめポピュラー音楽では全て同じと捉えます。全部Cです。つまり、楽譜にCと書いてある場合、この3種類の中から自由に選んで使って良いというわけです。でも実際は次から次へとコードがスピーディーに変わっていく中で、どんな判断基準を持ってボイシングを選べばええねん!ていうかそんな悠長に考えてる余裕ないねん!という状態だと思います。ここでボイシングの目的ですが、これはとにもかくにもトップノートの音の推移を滑らかにすることです。例えば、合唱コンクールとかの礼の時に使う和音のコード進行はC、G、Cなんですが、これをもし仮に、「ドミソ→ソシレ→ドミソ」と弾くと、別々のコードを3回鳴らしただけみたいな感じになってしまいますが、これを「ミソド→レソシ→ミソド」と弾くと、途端にコード進行ぽく聞こえると思います。違いはトップノートで、最初の弾き方だとトップノートがソ→レ→ソとなっていて5度も離れています。正直、3度飛ぶだけで相当にバラバラ感が出ます。一方、後者の方はド→シ→ドとなっており、半音しか動いていない!そうすると、人間の耳にはコード進行のように聞こえるのです。ボイシングは、全てこの「コード進行に聞こえる」という感覚を実現するためのものです。ていうか、それ以外の用途はありません。つまり、あらかじめ滑らかに聞こえそうなボイシングの組み合わせをマスターし、それをとにかく使っていけばいいのです。

キーボードのボイシング超簡易版

とは言ってもボイシングの組み合わせなんて無数にありそうだし・・・と思いますよね。とりあえずまずは、ポップスですぐ使えるボイシングの基本パターンを伝授しましょう。これで相当に候補が絞れます。
ポップスの基本である4和音(Cm7など)を例に取ると、1-3-5-7, 3-5-7-1, 5-7-1-3, 7-1-3-5の4種類の展開形がある。これを瞬時に使い分けるなんて、無理でしょ!!!!という読者様のために、簡易版を用意してきました。ズバリ、

左手で1、右手で残った357を弾く

です。

これのいいところは、まず左手はルート音だけ弾けば良いので、考えることが減ります。右手だけに集中できる。あと、右手も3音しかないので、3-5-7, 5-7-3, 7-3-5の3パターンしかなくなる。これで大分CPUを無駄遣いしなくて済みます。 基本的に、この展開形が自由に使えたら、ポップスのボイシングはほとんど困りません。ということで、このメソッドを使ったボイシングを例で考えてみましょう。

例えば、Dm7  G7  Em7 A7という進行があったとしましょう。ルートを抜くと、それぞれの音は:

Dm7 ファ・ラ・ド
G7  シ・レ・ファ
Em7  ソ・シ・レ
A7 ド#・ミ・ソ

となります。
例えば、Dm7を下からレ・ファ・ラ・ドと積んだ場合、次のG7のトップノートはドに近い音を使うので、シかレになります。今回はレを選ぶとします。そうするとG7は下から、ソ・ファ・シ・レとなります。

今度はEm7の中にレに近いものを探します。同じレが入っているのでこれを使いましょう。そうするとミ・ソ・シ・レになりますね。

最後のA7の中でレに近いのはド#かミです。今回はド#を使います。そうすると、ラ・ミ・ソ・ド、となります。

これをまとめると、以下のようになります。一番下の音はオクターブ下げたほうがそれっぽいです。

Dm7 レ・ファ・ラ・ド
G7  ソ・ファ・シ・レ
Em7 ミ・ソ・シ・レ
A7  ラ・ミ・ソ・ド#

この順番で弾いてみると、すごく滑らかだと思います。

最初にDm7をレ・ファ・ラ・ドと積んだらこうなります。ただ、レ・ド・ファ・ラと積んだ場合、トップノートがラから始まるので、G7はソ・レ・ファ・シとかにした方が良さそうですね。こんな具合で、とにかくトップノートが滑らかになっていれば、別にどの展開形を使っても問題ないです。注意点は、あまり選択肢がありすぎると本番中に迷うので、II-V-Iのコード進行ぐらいは、自分が好きなボイシングを作って頭に叩き込んでおきましょう。ワタクシも、全てのキーでパターンを持っています。これが自由に出せるようになると最高ですね。慣れないうちは、楽譜に音符を書いて覚えるようにしましょう。Dm7→Em7みたいな進行の場合は転回しなくてもそのまま平行移動すれば問題ないので、この辺は覚える必要ないです。やはり重要なのはII-Vですね。ルートが大きく動くから、IIとVでコードの転回を変えなきゃいけない。これが最初は難しいと思う。とにかく最初は楽譜に音符を書いて覚えるところからですな。検討を祈る。

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